磁気低緯度地域におけるGNSS性能向上及び
性能評価技術高度化に関する研究

衛星航法(GNSS)は衛星の電波を受信して測位を行うので、世界中どこでも利用できるという利点があります。一方で、GNSS には電波が伝わる経路上の様々な現象が影響を与えます。そのうち、最も影響が大きく予測が難しいものが電離圏によるものです。日本は電離圏の変動が大きい磁気低緯度に位置しているため、GNSS は電離圏の影響を受けやすく、安全性が重要な航空航法では性能を制限する要因になっています。国際民間航空機関(ICAO)では、電離圏を含む宇宙天気の状態の情報提供を開始するなど、宇宙天気情報利用が始まりつつあります。宇宙天気の情報を活用することで、電離圏の状態を的確に把握できるようになり、航空GNSS の性能を向上させるとともに、GNSS に障害があった時に迅速に原因追求ができるような技術を開発します。また、日本の空港環境に適した高カテゴリーGBAS(Ground-Based Augmentation System:地上型衛星航法補強装置)導入のために、磁気低緯度の電離圏環境に対応した性能評価技術を開発します。

開発した技術は、日本のみならず、国際協力を通して日本と同様の電離圏環境を共有する磁気低緯度地域に広めていきます。これにより、日本を含む磁気低緯度地域においてGNSS を用いた航空航法が安全に利用できる環境を実現していきます。

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