先輩からのメッセージ

先輩からのメッセージ 1

仕事と家庭を両立しています

監視通信領域
長縄 潤一

長縄 潤一の写真

私は博士課程修了後に入所して今年で8年目です。現在は航空機監視システムに関わる研究開発に取り組んでいます。このシステムにレーダなど様々な種類のものがありますが、航空管制に必須の位置情報等を取得するもので、現代の航空交通を支える極めて重要なインフラです。電子航法研究所で働く魅力は、そのような社会の重要なインフラに対して、基礎から実用化・国際標準化までの幅広いフェーズにおいて貢献できることです。

具体例があるとイメージしやすいと思いますので、私の経験を紹介します。入所3年目の時に、グループ内で私が主導的に進めることになった「位置検証」という研究課題があります。目標は航空機が放送する位置情報において無線信号の特徴を使って不正検知をすることでした。4年の研究期間で、理論検討から始め、数値シミュレーションや基礎実験を経て、最終的にはプロトタイプでのデモや性能評価を行いました。研究成果は国際標準化会議や国際学会で発表したほか、論文誌に掲載されました。

東京国際空港(羽田)に設置中の実験機材の図

東京国際空港(羽田)に設置中の実験機材

現在は、後継研究において実用化に向けた取り組みを進めています。これまでに行政やメーカーに対して導入判断やシステム設計などに役立つ情報を提供しました。今後は、共同研究による技術移転や実システムのデータ分析をできればと考えています(他の課題で経験を得ました)。また、基礎研究も続けるため科研費を申請し、理論の深掘りや機械学習など新技術への挑戦に充てています。自分の研究が徐々に発展していく過程に手ごたえを感じています。

ところで、当所の扱う航空交通分野は馴染みの薄い方が大半だと思いますが、様々な専門分野が生かせますし、入所後に勉強すれば良いので安心してください。私の場合、大学院では無線通信を学んでおり航空分野は素人でした。飛行機に関わる仕事はかっこいいなと感じたのが志望動機でした。また、柔軟な働き方も魅力です。家族にはフルタイムで働く妻と2歳の子供がおりますが、在宅勤務やフレックス制度を活用して仕事と家庭を両立しています。

きっと皆さんも当所で活躍できます。ぜひ就職先として検討してみてください。

先輩からのメッセージ 2

実社会に活かせるチャンスが多い

航空交通管理領域
虎谷 大地

虎谷 大地の写真

航空機は自由に空を飛んでいるように見えますが、実際には航空管制官による指示や様々なルールに従って飛ぶことで、安全な飛行を実現しています。私が所属している航空交通管理領域では、航空管制の方法や飛び方のルールといった、運用面に関する研究開発を主に行っています。私自身は特に、巡航中や到着段階の航空機を対象に、シミュレーションやデータ分析、最適化といった手法を用いて、航空管制を効率化する研究に従事しています。また最近では、ドローンや空飛ぶクルマといった、新たなタイプの航空機の運用に関する活動も行っています。学生時代にはドローンの開発や航空機の最適制御に関する研究に取り組んでいたので、学生時代の知見をかなり活かして仕事をしています。一方、電子航法研究所入所後は学生時代と異なり、より実際の運用やルールを意識した研究開発をするようになりました。大学でもある程度現実を考慮して研究を行いますが、現実よりも学術的なインパクトを重視していました。研究所では実際に役立つ成果を出すことが求められるので、現実の運用方法やルールをよく調査した上で、研究開発の観点から貢献できるポイントを見極める力が重要と考えています。

羽田空港への到着交通流を最適化した例の図

羽田空港への到着交通流を最適化した例
(D. Toratani, "Application of merging optimization to an arrival manager algorithm considering
trajectory-based operations," Transp. Res. Part C, 2019. より引用)

研究所での普段の活動は自由度が高く、航空交通管理に関することであれば、基礎的なものから実運用に特化したものまで様々な内容の研究開発を行う機会があります。その他にも私は、科研費等の外部資金による研究や、海外の研究機関に滞在する在外派遣研究の機会を得ることができました。

また働き方の自由度も高く、私は第1子と第2子が産まれた際に3カ月ずつ育児休業を取得しました。育児休業期間中も、事前の調整や一時的な出勤等を上手く組み合わせることで、仕事の進捗に大きな影響を与えることなく育児に専念することができました。

電子航法研究所の研究開発は実際の航空管制を支えていくものであり、その分現実の運用をよく勉強する必要はありますが、研究開発の成果を実社会に活かせるチャンスが多い職場だと思います。この分野に興味をお持ちであれば、是非一緒に働きましょう!

先輩からのメッセージ 3

気軽に相談出来る環境に
助けられています

航空交通管理領域
村田 暁紀

村田 暁紀の写真

電子航法研究所に採用されてから3年目となり、Covid-19の影響により働き方そのものが変わりゆく中、テレワーク等、時代に見合う柔軟な働き方を心がけ業務を遂行しています。

学生の時代は、通信分野に興味があったため、一時はこの分野を学び、航空管制技術官となることを志していました。その後、人工知能の分野に惹かれ、情報学を専攻しました。所属していた研究室では進化計算やマルチエージェントと呼ばれる人工知能に関する基礎応用研究を取り扱い、この技術を用いて航空管制に役立てないかということで進化計算を用いた航空機に着陸順の最適化に関する研究等を行っていました。

電子航法研究所入所後は航空交通管理領域に所属し、国際交通流の円滑化、航空機の航行時の安全性に関わるプロジェクト等に携わり、実データ或いはシミュレーションデータに基づく評価や人工知能を用いた航空管制への応用に関する検討を行っています。情報学専攻出身のため、多量の画像や数値データを処理し解析に利用する機会が多いです。航空局の協力の下、データを提供していただいているので多種多様な情報をどのように航空管制に活用できるかを考えることはやりがいを感じます。

実験用航空機「よつば」での搭乗実験の図

実験用航空機「よつば」での搭乗実験

航空管制には細かな運用規定が定められているので前提となる知識が多く、大変だと思うこともありますが、管制業務経験を持つ研究者の経験に基づく助言や年齢の近しい若手研究員に気軽に相談出来る環境に助けられています。また、航空局や現場で業務を執り行う管制官の方へのヒアリングや現場にも業務に差し支えない範囲で見学出来る機会があることは実運用における研究開発を行う上では重要だと感じています。

電子航法研究所は海上・港湾・航空技術研究所の一つの研究所として位置づけられており、比較的小規模ではありますが、重要な研究所です。航空機の安全で効率的な運航を支えるために航法・監視・航空交通管理の観点からCARATSと呼ばれる未来の航空運航に関わる施策に鑑みて包括的に研究を遂行しています。このような分野での研究を遂行する機関は少なく、航空交通量の増加が見込まれる将来において弊所は研究開発の観点で貢献することが求められます。重要な施策に係る電子航法研究所で研究員として働いてみませんか?

TOP