理念・概要

ご挨拶

電子航法研究所 所長 
福島 荘之介

電子航法研究所 所長 福島 荘之介 写真

電子航法研究所の名称である“航法”とは、航空機など移動体を目的地まで導くための技術であり、電子情報通信技術を用いた航法を“電子航法”と呼びます。現在、羽田空港の離発着は1日約1,000便であり、他の国内空港を離発着する国内・国際線と上空通過を含めると1日約5,000便が国内を飛行しています。世界の旅客輸送量(RPK)は3.98%で成長しており20年後には現在の約2倍になると予測されています。このような航空輸送の増大に対応し、航空機を安全に効率良く飛行させるためには、次世代の航空交通システムなど新技術の導入と航空交通管制の高度化を推進する必要があります。

当研究所は、通信・航法・監視技術などからなる航空交通システムと航空交通管制に関する我が国唯一の研究機関として、航空交通のさらなる躍進、安全性の向上、地球環境の保全を可能とする技術の実現を目指して研究開発に取り組んでいます。また、国土交通省が提唱している「将来の航空交通システムに関する長期ビジョン」(CARATS)に含まれる課題を重点的に実施して実現を支援するとともに、ディジタル・トランスフォーメーション、カーボンニュートラル、次世代モビリティーなどに対応する研究開発を実施しています。

2024年1月2日に羽田空港の滑走路上で旅客機が炎上する衝突事故が発生しました。これまで当研究所は、航空交通の安全性の向上などのため国内外の研究機関とも連携して将来システムの開発に向けての研究、その国際標準化に向けた活動へ貢献してきました。今後は、さらなる安全・安心の確保を目的として、タイムリーな技術支援や将来システムの研究開発に関しても一層の充実に取り組んで参ります。

当研究所は、2016年に海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所と共に国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(うみそら研)の一員となりました。これにより、航空のみならず、海洋・港湾の技術を組み合わせた横断的な研究が可能となり、多様な交通モードを通した社会貢献への道が開けました。今後も我が国の航空・交通の発展と安全に貢献するため、一同が力を合わせて取り組む所存です。関係者の皆様におかれましては、引き続きのご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和6年4月1日
福島荘之介

理念

電子航法研究所のロゴマーク

電子航法研究所と研究員は共に、

  • 航空躍進の礎を担う
  • 航空交通の安全性・効率性向上、地球環境保全に貢献する
  • 世界に通じる中核的研究機関を目指す

概要と役割

航法とは航空機や船舶などの移動体を目的地まで安全にかつ効率よく導く技術で、航行中の位置や進行している方向などを知るために必要な情報を提供するものです。

現在の航法は、電波航法にコンピュータなどの電子技術を応用した電子航法が主となっており、航空機や船舶などとの通信、その位置を知らせるための航法、レーダなどによる監視、これらのシステムを用いて航行を秩序よく整理し衝突防止する管制など広い範囲の技術が含まれています。

電子航法研究所は、日々進歩を続ける電子航法について、航法技術の開発、機器の試作、評価試験などを行うことにより、交通の安全の確保とその円滑化を図ることを目的としています。

国立研究開発法人の趣旨を踏まえ、自律的、効率的で透明性の高い業務運営を図りながら、具体的な目標を確実に達成できるように努め、国土交通行政を支えるとともに、国際性を併せもつ電子航法技術の発展に寄与しています。

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