
独立行政法人電子航法研究所は、航空交通管理の分野における我が国唯一の研究機関として、航空交通量の増大、航空交通の安全性向上、地球環境の保全等の航空交通システムの高度化に関する研究開発に取り組んでいます。
具体的には、平成23年度からスタートする新たな中期計画及び平成22年度に改訂した研究長期ビジョンでは、
- 飛行中の運航高度化に関する研究開発、
- 空港付近の運航高度化に関する研究開発、
- 空地を結ぶ技術及び安全に関する研究開発、
が当研究所の目指す研究の方向性を示しています。
全地球的衛星航法システム(GNSS)に関する研究は、飛行経路を効率的かつ柔軟に設定できる衛星航法システムを、我が国に円滑に導入するための研究であり、特に地理的に電離層の特異な環境に位置する我が国の研究成果は、国際的に高い評価を得ています。またトラジェクトリー管理については、研究所の研究長期ビジョンや国土交通省が公表した「将来の航空交通システムに関する長期ビジョン」(CARATS)において中核的課題として位置づけられたテーマであり、その実現に向けた研究は、円滑な交通流の促進、航空機運航における空の渋滞解消、そしてCO2排出削減をもたらします。
平成23年3月11日に発生した、東日本大震災は我が国に甚大な被害をもたらしました。当研究所の岩沼分室においては実験設備の一部喪失、特に実験用航空機の損害に見舞われました。しかしながらアジア地域における経済発展、航空需要の長期的な伸びを考えれば、国の復興計画に合わせて研究施設の復旧に努め、被害の発生による研究の遅れを最小限にしつつ、我が国における、そしてアジア地域における、また世界における航空交通の、安全かつ円滑な発展に貢献して行くことが求められています。
電子航法研究所としては、当然のことながら、社会環境が必要とする研究に研究資源を投入し、その成果を社会に積極的に還元する所存です。今後とも皆様のご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。